

そうね。ウイスキーって、とても奥が深いお酒なのよ。
生産地やブレンドの具合で、全く味が違うの。
ウイスキー初心者の君のために、ウイスキーのあれこれを解説しようかしら。
生産地やブレンドの具合で、全く味が違うの。
ウイスキー初心者の君のために、ウイスキーのあれこれを解説しようかしら。
ウイスキーの製造工程

まず、お父さんおすすめのウイスキーどうだった?

それがね、普段ウイスキーは飲まないんだけど、実にふくよかな甘い香りがして、何だかも高級な感じがしたのにはびっくりしちゃった。
しかも水割りにしようとしたら、オヤジが凄い勢いで、
「だめだめ、いい酒はそのまま飲むのが一番」
って言うから、ストレートで飲んだのだけれど、これが不思議なことに、実に美味しかった。
しかも水割りにしようとしたら、オヤジが凄い勢いで、
「だめだめ、いい酒はそのまま飲むのが一番」
って言うから、ストレートで飲んだのだけれど、これが不思議なことに、実に美味しかった。

そうね、それはかなりいいウイスキーだったのだわ。
ウイスキーを理解するには、まずは製造方法を知っておいてほしいわね。
ウイスキーを理解するには、まずは製造方法を知っておいてほしいわね。

なるほど。ウイスキーがどうやって作られるかを知れば、なお美味しく飲めそうだね。

まず、ウイスキーは蒸留酒なの。原料は、大麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀物などね。大麦麦芽だけで作られるのを「モルト・ウイスキー」、トウモロコシ、ライ麦、小麦などをメインにして作るのを「グレーン・ウイスキー」と言うのよ。

うん、蒸留酒なのは知っている。蒸留酒って、他には焼酎、ウォッカ、ジン、ラムなどがあるよね

そう、よく知っているわね。
ウイスキー作りでは、麦芽粉砕、発酵、蒸留という工程を経て、無色透明な原酒ができるの。このときのアルコール度数は、60~70度ね。
ウイスキー作りでは、麦芽粉砕、発酵、蒸留という工程を経て、無色透明な原酒ができるの。このときのアルコール度数は、60~70度ね。

無色透明? 売られているウイスキーは、どれも褐色の色がついているよね。ウイスキーって、元々は透明なお酒なんだ。
そう。ウイスキーは最初透明なんだけど、それを褐色に変化させていく工程こそ、ウイスキーがウイスキーたるゆえんなの。
それには、原酒をオーク(樫)樽に詰めて熟成させるの。
このときに、樽の内側を焦がしておくと、独特の焦げ臭い風味が生まれるのね。
それには、原酒をオーク(樫)樽に詰めて熟成させるの。
このときに、樽の内側を焦がしておくと、独特の焦げ臭い風味が生まれるのね。

さらには樽の材質、焦し具合、個性によって実に複雑な味と風味が生まれる。
この樽熟成によって原酒がウイスキーに変化するとも言えるわね。
熟成期間はおよそ10年以上。
よくボトルに「12年」や「18年」と書いてあるでしょう。あれは熟成期間を表しているの。
そして、この間に樽の成分がにじみ出て、ウイスキーは褐色に変化していくわけね。
この樽熟成によって原酒がウイスキーに変化するとも言えるわね。
熟成期間はおよそ10年以上。
よくボトルに「12年」や「18年」と書いてあるでしょう。あれは熟成期間を表しているの。
そして、この間に樽の成分がにじみ出て、ウイスキーは褐色に変化していくわけね。

なるほど! ということは、原料、蒸留所、樽の材質や焦し具合、熟成年数などによって、味は全部違ってくるわけか。実に複雑だね!

そう。そして樽から瓶詰めするとき、1種類のモルトだけを使ったものが「シングルモルト・ウイスキー」というわけよ。
さらには、1つの樽だけから瓶詰めしたものが「シングルカスクウイスキー」。
これは蒸留所に行っても、滅多に入手できないわ。
さらには、1つの樽だけから瓶詰めしたものが「シングルカスクウイスキー」。
これは蒸留所に行っても、滅多に入手できないわ。

うーん、ますます面白くなってきた。
ところでウイスキーというと、よくバーボンとかスコッチとか言うよね。
それに日本にも美味しいウイスキーがあるし。これらはどう違うの?
ところでウイスキーというと、よくバーボンとかスコッチとか言うよね。
それに日本にも美味しいウイスキーがあるし。これらはどう違うの?
ウイスキーの生産地

いい質問ね。次はウイスキーの生産地について解説するわ。
世界の主なウイスキー生産地は5つあって、スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、そして日本よ。
スコットランドで作られるウイスキーを「スコッチウイスキー」、アイルランドで作られるのを「アイリッシュウイスキー」と言うのよ。どちらもイギリスの地名ね。
ただ厳密に言うと、スコッチと名乗るには、オーク樽で熟成させるなど、厳密なルールがあるの。
世界の主なウイスキー生産地は5つあって、スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、そして日本よ。
スコットランドで作られるウイスキーを「スコッチウイスキー」、アイルランドで作られるのを「アイリッシュウイスキー」と言うのよ。どちらもイギリスの地名ね。
ただ厳密に言うと、スコッチと名乗るには、オーク樽で熟成させるなど、厳密なルールがあるの。

おおー、それでスコッチというわけか。じゃあ、アメリカで作っているのをなぜバーボンと言うの?

アメリカ産=バーボンではないの。
「バーボンウイスキー」は、アメリカ産でなおかつ原料の穀物が51%以上、という定義があるのよ。樽詰めには新樽を使うなども条件ね。
カナダと日本のウイスキーの製法にはっきりした定義はないけど、生産地の違いね。
「バーボンウイスキー」は、アメリカ産でなおかつ原料の穀物が51%以上、という定義があるのよ。樽詰めには新樽を使うなども条件ね。
カナダと日本のウイスキーの製法にはっきりした定義はないけど、生産地の違いね。

バーボンって、独特の香りがあるよね。独特の焦げ臭さというか、ワイルドな、西部劇を思わせるような香り。
あの香りをかぐと、キャンプしたくなってくるよね。夜、ステンレスマグカップに注いだバーボンを飲みながら、焚き火を囲んで語らいたいね。
あの香りをかぐと、キャンプしたくなってくるよね。夜、ステンレスマグカップに注いだバーボンを飲みながら、焚き火を囲んで語らいたいね。

いいわね。男の世界! って感じ。
それに、スコッチもバーボンも、もちろん他のウイスキーも、樽につめておく期間が長ければ長いほど、複雑で重厚な味に変化してくるの。これがウイスキーを味わう楽しさね。
それに、スコッチもバーボンも、もちろん他のウイスキーも、樽につめておく期間が長ければ長いほど、複雑で重厚な味に変化してくるの。これがウイスキーを味わう楽しさね。
ウイスキー飲み比べ

う~ん、ヘベレケ姉さん、そんな話を聞くと、ウイスキーを飲み比べしたくなってきた。
何か飲ませて!
何か飲ませて!

仕方ないわね。じゃあ、ここに私のおすすめウイスキーが3本あるから、香りと味を楽しんでみて。
まずはこれ。グラスに少しだけ注いでみたけど、香りはどう?
まずはこれ。グラスに少しだけ注いでみたけど、香りはどう?

う~ん、甘くて華やかな香りがする。ハチミツと花の香りが混ざったような複雑な香り。
じゃあ、ちょっとストレートで飲んでみようかな。
・・・・・・・。
甘い~。ハチミツのような甘さ。でも舌に残る甘さじゃなくて、すっきりと消える大人の甘さ。
じゃあ、ちょっとストレートで飲んでみようかな。
・・・・・・・。
甘い~。ハチミツのような甘さ。でも舌に残る甘さじゃなくて、すっきりと消える大人の甘さ。

そうでしょう。これはサントリーの「響17年」よ。10年ぐらい前は手軽に入手できたけど、いまではかなりレア品になってしまったわ。
じゃあ、次はこれの香りと味を楽しんでみて。
じゃあ、次はこれの香りと味を楽しんでみて。

おお! この香りはまさにバニラそのもの。
ウイスキーって、こんなに甘い香りがしたんだね。色も明るい黄金色だ。でも、ほのかにスモーキーというか、焦げ臭い香りもある。バニラやフルーツの香りがする。
ウイスキーへの見方が変わってしまったよ。この銘柄は?
ウイスキーって、こんなに甘い香りがしたんだね。色も明るい黄金色だ。でも、ほのかにスモーキーというか、焦げ臭い香りもある。バニラやフルーツの香りがする。
ウイスキーへの見方が変わってしまったよ。この銘柄は?

これはスコッチウイスキーの「スキャパ」よ。バニラのような甘い香りがするでしょ。
それに、スキャパ蒸溜所はスコットランド最北部のスキャパ海峡に面しているの。かすかな潮の風味やドライな後味もあるはずよ。
それに、スキャパ蒸溜所はスコットランド最北部のスキャパ海峡に面しているの。かすかな潮の風味やドライな後味もあるはずよ。

凄いね。ウイスキーの奥深さがちょっと分かった気がする。

じゃあ、3本目はこれね。強烈な個性があるから、びっくりしないでね。まずはグラスを回して香りをかいでみて。

・・・・・。
うわぁ、何だこれは! まるで消毒剤のオキシドールじゃないか。姉さん姉さん、これはウイスキーじゃないよ。
うわぁ、何だこれは! まるで消毒剤のオキシドールじゃないか。姉さん姉さん、これはウイスキーじゃないよ。

何を言ってるの? 私がボトルから注ぐのを見たでしょう? その強烈な香りに魅せられた人もたくさんいるのよ。飲んでごらんなさい。

・・・・・。
へえ~。これは第一印象はびっくりしたけど、独特の味わいがあるね。消毒剤のようでもあり、潮の香りのようでもあり、スモーキーさもある。
確かに好みは分かれそうだけど、うん、俺は好きかも。
へえ~。これは第一印象はびっくりしたけど、独特の味わいがあるね。消毒剤のようでもあり、潮の香りのようでもあり、スモーキーさもある。
確かに好みは分かれそうだけど、うん、俺は好きかも。

これはね、おそらく世界一個性のあるウイスキーで、「ラフロイグ」というのよ。イギリスのチャールズ皇太子も、ラフロイグの大ファンだそうよ。
しかもウイスキーの凄さは、同じ蒸留所、同じ原酒でも、熟成年によって香りも味も変化してくるの。これを追究していったら限りがないぐらいよ。
しかもウイスキーの凄さは、同じ蒸留所、同じ原酒でも、熟成年によって香りも味も変化してくるの。これを追究していったら限りがないぐらいよ。

うーん、言葉がないね。
じゃあ姉さん、もう一つ質問だけど、ウイスキーはどうやって飲むのが美味しいの?
じゃあ姉さん、もう一つ質問だけど、ウイスキーはどうやって飲むのが美味しいの?
ウイスキーの美味しい飲み方

いい質問ね。
私が思うに、どんなお酒も、ストレートで飲むのが一番美味しいの。
でも刺激が強いから、「チェイサー」といって、ミネラルウォーターと交互に飲むといいわ。それから薄めたいときは、ウイスキーと水を1:1で割るといいわね。そうすると香りが引き立つの。それ以上薄めてしまうと、香りが分からなくなってしまうわ。
ハイボールも、できれば1:1ぐらいで飲んでみて。炭酸で香りが立って美味しいわよ。
私が思うに、どんなお酒も、ストレートで飲むのが一番美味しいの。
でも刺激が強いから、「チェイサー」といって、ミネラルウォーターと交互に飲むといいわ。それから薄めたいときは、ウイスキーと水を1:1で割るといいわね。そうすると香りが引き立つの。それ以上薄めてしまうと、香りが分からなくなってしまうわ。
ハイボールも、できれば1:1ぐらいで飲んでみて。炭酸で香りが立って美味しいわよ。
まとめ

ヘベレケ姉さん、ありがとう。
今までウイスキーのことはよく知らなかったけど、かなり勉強になったよ。
これからあれこれ飲んでみて、自分の好みにあう1本を探してみるね。
今までウイスキーのことはよく知らなかったけど、かなり勉強になったよ。
これからあれこれ飲んでみて、自分の好みにあう1本を探してみるね。

ぜひ、ウイスキーをよく知って、ウイスキーが似合う素敵な男性になってみて。そうしたらあなたに惚れちゃうかも。

俺、年下好みだから・・・。
「よく来たな、たまには飲んでいけ」
って、ウイスキーのボトルを持ってきてさ。
そこから飲み始めたら、延々とオヤジのうんちくを聞かされてしまったよ。
ウイスキーって、なかなか奥が深そうだね。