飲み会の次の日に襲ってくる二日酔い。
激しい頭痛や吐き気があると、とてもつらい思いをしますよね!
二日酔いになってしまっても仕事や予定が入っていてどうしても外出をしなければいけない時もあると思います。
そんな時にロキソニンやイブなどの市販薬は飲めるのか?病院に行けば二日酔いに効く薬を処方してもらえるのか?調べている人がすごく多いです。
でも病気ではない二日酔いでも痛み止めや整腸剤は効果があるのでしょうか?
市販薬・処方薬の両方で二日酔いの症状に効果があるのか調べてみました。
二日酔いのメカニズム
そもそも二日酔いはアルコール解毒のオーバードーズで起こります。

アルコール解毒のオーバードーズとは
- 体内に入ったアルコールを小腸・胃・大腸で吸収
- 血中で全身をめぐり肝臓へ運ばれる
- 肝臓で代謝されアセトアルデヒドが発生
- 飲みすぎて代謝しきれずアセトアルデヒドが蓄積
少量のお酒を飲んだ時はアセトアルデヒドは蓄積されず酢酸に代謝されオーバードーズすることなく、再び血流にのって全身をめぐり尿や汗で体外へ排出されます。
でも飲みすぎてしまいオーバードーズを起こしていると、アセトアルデヒドの代謝が間に合わずどんどん蓄積されて体が免疫反応を起こし二日酔いになってしまうのです。
頭が痛い・めまいがする・吐き気がする・倦怠感・胃痛・胃もたれ・動悸・下痢・震え・脱水・体のほてりなど
アセトアルデヒドがたまってしまったことで、様々な反応が体内で起こり二日酔いの症状として現れています。
このアセトアルデヒドはたばこの煙にも含まれている有害物質で、人への発がん性も疑われている物質です。
アルコールの代謝が早い体質と遅い体質
人の体の中にはアセトアルデヒドを代謝する強い味方がいます。
1型アセトアルデヒド脱水素酵素
2型アセトアルデヒド脱水素酵素
でもこのアセトアルデヒド脱水素酵素の働きが弱い体質の人もいるのです。
そんな人はたった1杯のビールでも顔が真っ赤になったり、吐き気・頭痛・動悸など二日酔いのような症状が出るフラッシング反応を起こすことがあります。
自分のアセトアルデヒド脱水酵素がしっかり働いているかを確かめる方法は簡単で、自宅でもすぐに行えます。
- 絆創膏に消毒用のアルコールを2~3滴たらす
- うでの内側に絆創膏を貼る
- 7分後に絆創膏をはがす
- 変化がない人は剥がしたまま10分後に再確認
絆創膏をはがして肌の変化をチェックします。
変化があればアセトアルデヒド脱水素酵素の働きが弱いということです。
剥がした直後に肌が赤くなった→ALDH2不活性型
10分程度してから肌が赤くなった→ALDH2低活性型
肌の色に変化がない→ALDH2活性型
アセトアルデヒド脱水素酵素の働きが弱い人ほどアルコールの代謝が遅く、二日酔いやフラッシング反応が起こりやすくなっています。
二日酔いの症状に効果があるのか薬ごとに検証
頭痛や吐き気などの二日酔いの症状に効果があるのか市販薬・処方薬で検証してみました。
調べたのは
アルピタン・ロキソニン・カロナール・バファリン・イブ・ガスター・正露丸・大正漢方胃腸薬・五苓散
の9種類の市販薬です。処方してもらう他にもドラッグストアですぐ買える薬なので自宅に常備している人も多いはずです。
成分を見て二日酔いに効果があるか、製薬会社や医師・薬剤師の意見も参考にまとめています。
アルピタン

二日酔いやお酒を飲んだあとの頭痛に効果が出るように開発された薬がアルピタンです。アルコールによる頭痛にとしっかり書かれていますね。
二日酔いによる頭痛や吐き気に効果がある薬で間違いはありません。
アルピタンの成分は「五苓散エキス・タクシャ・チョレイ・ブクリョウ・ビャクジュツ・ケイヒ」です。
漢方の生薬の力がつらい二日酔いに効果を発揮します。
二日酔い予防にお酒を飲む前に服用しても効果的だそうです。
ロキソニン(LOXONIN)

頭痛や生理痛の時の鎮痛剤として、発熱の時の解熱剤として広く飲まれているのがロキソニンです。
悪寒・発熱のときの解熱
ロキソニンの効果・効能には二日酔いの頭痛や発熱は含まれていませんでした。
ブログやSNSではロキソニンを飲めば二日酔いの頭痛に効果がある!と書いている人もいますが、根拠は現在は見つかっていないようです。
ただ二日酔いの頭痛のために病院を受診すると、ロキソニンが処方されることはあります。鎮痛のために飲むのはまちがってはいないということですね。
ロキソニンの成分「ロキソプロフェンナトリウム水和物」は、痛みのもととなるプロスタグランジンを抑える効果があるので二日酔いの頭痛や発熱に効果が出る人もいるようです。
カロナール(バファリン)

カロナールは病院で診察を受けて処方してもらうことでしか手に入らない鎮痛剤です。
でも主成分が同じ市販薬は販売されています。
タイレール・ノーシン・バファリンルナなどです。
効果・効能
月経痛・頭痛・腰痛・肩こり痛・筋肉痛・関節痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・歯痛・疼痛・神経痛・耳痛・外傷痛・咽頭通
悪寒・発熱
カロナールやバファリンルナは二日酔いの頭痛や吐き気などは効果・効能には書かれていません。
カロナールと市販の3種類の解熱鎮痛剤に使われている主成分は「アセトアミノフェン」です。
アセトアミノフェンは肝臓に負担がかかってしまうため、二日酔いの頭痛で飲むなら「アスピリン」が使われているバファリンAまたはバファリンライトがおすすめです。
イブ(EVE)

イブA錠も一般的に頭痛や生理痛の緩和のために飲まれている薬です。小粒タイプなので飲みやすく女性からの人気が高いようです。
効果・効能
月経痛・頭痛・腰痛・肩こり痛・筋肉痛・関節痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・歯痛・疼痛・神経痛・耳痛・外傷痛・咽頭通
悪寒・発熱
他の解熱鎮痛剤と同じで効果・効能には二日酔いによる頭痛や発熱は書かれていません。
イブA錠の主成分はイブプロフェンです。鎮痛効果が高い成分で痛みのもとになるプロスタグランジンを抑える効果があります。
二日酔いになる前に飲むと効果があるという情報も出ていますが、他の薬同様に肝臓や胃が荒れることがあるので飲んだ直後の服用はおすすめできません。
それでも成分を見る限りロキソニンと同じように二日酔いによる頭痛や発熱があったときに効果を感じる人がいてもおかしくはありません。
五苓散(ごれいさん)

医師もおすすめしている二日酔い対策の薬が五苓散です。飲み会の前に飲むのも悪酔いをしにくくしたり、二日酔いになりにくくなる効果があるそうです。
効果・効能
頭痛・吐き気・嘔吐・めまい・むくみ・腹痛・急性胃腸炎・下痢・二日酔い
五苓散にはちゃんと二日酔いと書かれています。
頭痛や吐き気にはもちろんのこと、二日酔いによるむくみにも効果が高いと評判です。
五苓散は5つの生薬から作られています。
タクシャ・ソウジュツ・チョレイ・ブクリョウ・ケイヒ
体内の水分を均等にしてむくみを解消し、水分バランスを整えてくれます。
もう1つの二日酔いに効く漢方として「黄連解毒湯」があります。
顔が赤くなるのを緩和したり、消化器官の炎症を抑えて胃のムカムカや頭痛の緩和にも有効です。
正露丸(せいろがん)

ラッパのマークでおなじみの正露丸は、100年以上前から常備薬として使われてきた薬です。
効果・効能
軟便・下痢・食あたり・水あたり・はき下し・くだり腹・消化不良による下痢・むし歯痛
正露丸にも二日酔いとは書かれていませんが、公式サイトでは飲みすぎたあとのトラブルに効果があると説明されています。
ビールをがぶがぶ飲んだことで下痢や腹痛が起きた時には正露丸がよく効きます。
使われている木クレオソートが部位分の分泌を抑えて下痢を止めるのです。
以前は殺菌効果があるからと言われていたようですが、腸への殺菌効果はそこまでなかったそうです。
ガスター10

胃が痛い時に飲むイメージが強いガスターですが、二日酔いの胃の不快感に効果はあるのでしょうか?
効果・効能
胃痛・もたれ・胸やけ・むかつき
ガスター10も特に二日酔いの症状に効くという説明はありません。
過剰に分泌された胃酸をコントロールして、胃痛や胸やけに効果を発揮します。
胃酸の分泌をコントロールして胃に優しい状態を作ります。
ガスター10よりも「飲みすぎ二日酔いのむかつき・吐き気に」という太田胃散ドリンクタイプがおすすめです。
太田胃散の場合は二日酔いに対応できるように作られているので、
飲みすぎ、はきけ・胃もた・食欲不振・胃弱・消化不良・食べすぎ・胸やけ・嘔吐・胃部・腹部膨満感・胸つかえ
などの不快な症状に効果を発揮します!ミント風味でさっぱり飲めますよ。
ナウゼリン

ナウゼリンはドンペリドンという成分からできている吐き気を抑える薬です。
処方してもらう以外に市販での販売はありません。
効果・効能
胃・十二指腸のドパミンの働きを抑える・消化管の運動を改善・吐き気を抑える
二日酔いによる吐き気や胃の不快感を感じたら効果があるかは確実ではないですが、ナウゼリンを使うこともあるようです。
ナウゼリンには副作用として眠くなったりふらついたりするなどの症状がでることがあります。運転などの前には飲まないようにしましょう。
妊婦さんにも使われているプリンペランでも代用はできます。
ナウゼリン系ではないですが「スクラート」が市販薬で1番二日酔いの症状に合うかなと思います。
飲みすぎて荒れてしまった胃の粘膜を保護して補修する成分が配合されています。
二日酔い予防サプリの効果は?
薬の他に最近では二日酔い予防サプリもありますよね!
ウコンの力やヘパリーゼなど聞いたことがある商品がたくさんあると思います。
1番有名な原料はウコンでしょう!
ウコンにはアセトアルデヒドの血中濃度を抑える効果があります。
ウコンに含まれているクルクミンは腸管と肝臓を行き来して循環し、効果が長続きすることが分かっています。
二日酔いや悪い酔い回避のウコンドリンクはたくさんありますが、原料となるウコンにも種類があるって知っていましたか?
秋ウコン:1.1~4.8%
春ウコン:0.3%
紫ウコン0%
ウコンの種類とクルクミンの含有量です。
二日酔いや悪酔い回避のためには必要な成分で、含まれていない紫ウコンは効果が期待できません。
市販の二日酔い予防ドリンクでは
ソルマック:200mg
カンゾコーワ:46mg
レバープラス:40mg
ウコンの力:30mg
1番メジャーなウコンドリンク「ウコンの力」が、最も含有量が少ないのは驚きです!
ずば抜けて含有量が多いのがソルマックですが、このウコンドリンクは指定医薬部外品に指定されています。
薬事法により効果があり副作用のリスクがない商品のことです。
これらの二日酔い予防サプリは基本的にお酒を飲む前に摂取しておくものです。
酔っぱらった後に飲んでも期待する効果が出ないことが多いのです。
二日酔い予防サプリは症状が出てから飲むのではなく、あくまでも飲み会前の対策として使います。
要注意!飲酒と薬の飲み合わせのリスク
朝目が覚めて二日酔いの症状があった時、すぐに頭痛薬や吐き気止めを飲むのはやめてください。
アルコールがまだ体に残っていると、
薬の成分の吸収速度が早くなっていたり遅くなっていたりする
薬の成分の代謝が早くなっていたり遅くなっていたりする
中枢神経の働きがにぶっている可能性がある
ため副作用が出やすくなったり、強く出たりするリスクがあります。
特に風邪薬や鎮痛剤など中枢神経に作用する成分が配合されている薬は、お酒が残った状態で飲むのはリスクが高いです。
特にお酒と飲まない方がいいと言われている薬がこちらです!
アスピリン
お酒と一緒に飲むことで胃が荒れる
二日酔いでアルコールが残っている時も避けるべき
アセトアミノフェン
お酒と一緒の飲むことで肝機能障害のリスクがある
睡眠薬
レンドルミンやハルシオンはお酒の影響で効果が強くなるリスクがある
利尿剤
急激に血圧が下がりめまい・ふらつきを起こすリスクがある
抗うつ剤
効果が出すぎるリスクがあり逆に精神が不安定になることも
手の震えが幻覚が起こるリスクもあります
しっかり体からアルコールが抜けた状態で薬は飲むようにしましょう。
何も考えずに二日酔いだからとすぐに薬を飲んでしまうと、症状がひどくなったり最悪のケースでは命に関わることもあります。
どうしても二日酔いによる頭痛や吐き気などの症状が辛い時は、病院で医師の診察を受け正しい判断をしてもらった上で処方された薬を飲むのが安全です。
市販の薬はよく考えて使わなければいけません!
二日酔いの時の薬の服用についてのまとめ
ロキソニンやガスターなどを二日酔いの症状改善のために飲んだことがある人はたくさんいます。
病院でも頭痛や胃痛を抑えるために処方することもありましたね!
翌日もまだ酔っぱらっている状態でお酒が抜けきっていない時でなければ、頭痛薬や胃薬を飲んでも問題ないことがほとんどのようです。
飲み合わせもあるし薬は不安だと思う人には漢方やサプリがおすすめです。
五苓散:利尿作用がありアルコールの排出を促進する
ウコン:クルクミンが肝臓の働きを助けアルコールの分解を促進
ヘパリーゼ:アセトアルデヒドの分解を促進
ハイチオールC:L-システインがアルコールの分解を助ける
ウコンはお酒を飲む前に二日酔い対策として飲んでおくものとして販売されていますが、飲み会の後に飲んでも効果があったという人もいて人により効果に差があります。
1番はしっかり理性を保ったまま飲み会に参加して解毒のオーバードーズを起こさないことですが、気が緩んで飲みすぎてしまった時は安全に薬を使用して症状を抑えましょう。
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