飲み会やBBQ・コンパなどお酒を飲んでいる時は日常のストレスを忘れてワイワイ楽しむことができますよね!
気が緩んでしまいついつい飲みすぎてしまうこともあると思います。
そんな時に翌朝襲ってくるのが二日酔いです。頭痛・吐き気・倦怠感など辛い症状から体のむくみなど目に見える症状まで様々です。
二日酔いの原因になると言われているのはアセトアルデヒドという中間代謝物です。
お酒を飲んでいる時に顔が真っ赤になるのもこのアセトアルデヒドのせいなんですよ!
せっかくお酒を楽しく飲んだのに翌日二日酔いで悲惨な目に合わないためにも、頭痛や吐き気が起こるメカニズムを知って日頃から対策をしておきましょう。
飲んだアルコールの行方と酔いレベル
二日酔いのメカニズムの前に、お酒を飲んで摂取したアルコールが体内でどんな風に吸収・分解されるのかについて説明します!
・ 70~80%は小腸で吸収される
お酒を飲む口腔内が1番早そうに感じますが、実は最も吸収が遅くほんの少量しかアルコールを吸収していません。
吸収が早いのは①小腸②胃③大腸です。
各部位から吸収されたアルコールは血管を通り体をめぐって肝臓へ運ばれます。
血液中のアルコールが脳の神経を麻痺させてしまうので、人は酔っぱらっているという状況になるのです。
血中のアルコール濃度によって酔いのレベルはちがいます。
血中濃度 | 飲酒量 (中瓶) |
酔いの症状 | 脳の状態 | |
---|---|---|---|---|
爽快期 | 0.02~0.04% | 1本 | スッキリした気分 陽気になる 肌が赤くなる 若干判断力が低下 |
大脳新皮質の働きが低下 大脳辺縁系の働きが活発になる |
ほろ酔い期 | 0.05~0.09% | 1~2本 | ほろ酔い気分 活発になる 体温上昇 脈が速い 理性がなくなる |
大脳新皮質の働きが低下 大脳辺縁系の働きが活発になる |
酩酊初期 | 0.10~0.14% | 3本 | 気が大きい 大声を出す キレやすい ふらつき |
大脳新皮質の働きが低下 大脳辺縁系の働きが活発になる |
酩酊期 | 0.15~0.29% | 4~6本 | 千鳥足 同じことを何度も話す 呼吸が荒い 吐き気 |
大脳新皮質・大脳辺縁系・小脳がまひ |
泥酔期 | 0.30~0.39% | 7~10本 | 立つのが困難 記憶が曖昧(ブラックアウト) 言葉支離滅裂 |
大脳新皮質・大脳辺縁系・小脳・海馬がまひ |
昏睡期 | 0.40~0.49% | 10本以上 | 起きない 失禁 呼吸が遅い・深い 亡くなることもある |
脳全体がマヒ 延髄がマヒすると死亡のリスクあり |
爽快期やほろ酔い期では二日酔いのリスクはほとんどありません。
二日酔いレベルが上がれば上がるほど二日酔いのリスクが高くなり、最悪のケースでは命に関わる状態になることもあります。
アルコールの血中濃度のピークは飲酒から30分~2時間で、吸収が早いのでその後は右肩下がりになっていきます。
血中のアルコールの代謝が二日酔いの大きな原因に!
小腸や胃・大腸で吸収されたアルコールは血中に入り肝臓で代謝されます。
② 2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)がアセトアルデヒドを酢酸に酸化
※ 1型アルデヒド脱水素酵素(ALDH1)も酸化を補助
③ 酢酸は血流で全身をめぐり筋肉や脂肪組織で水と二酸化炭素に分解
④ 尿・汗・呼吸で体外へ排出される
このようにアルコールを代謝する時には、アセトアルデヒドが発生します。
アセトアルデヒドはたばこにも含まれている人間の体にはとても有害な物質です。
私たちの肝臓は浴びるようにお酒を飲んでしまうと、分解されたアセトアルデヒドを代謝しきることができずに体内に残してしまいます。
これが「アルコール解毒のオーバードーズ」です。
肝臓の許容範囲を超えるアルコールの摂取を意味しています。
一般的に肝臓は「体重1kgあたり60分で0.1gのアルコールを分解」します。
体重が50kgの人だとどうなるのか例をあげてみますね。
60分のアルコール代謝量
0.1g×50kg=5g
0.05%の缶ビール1本の摂取量の計算
350ml×0.05%×0.8×=14g
アルコールの分解時間
14g÷6=約2.3時間
個人差があるので一概には言えませんが、一般的に350mlの缶ビール1本を分解するのに、約2.3時間はかかります。
そしてアセトアルデヒドが体内に残ってしまうと、こんな症状が起こります。
頭が痛い・めまいがする・吐き気がする・倦怠感・胃痛
胃もたれ・動機・下痢・震え・脱水・体のほてりなど
これが二日酔いです!
飲みすぎてアセトアルデヒドの代謝が追い付かなくなってしまうことが原因で、辛い二日酔いが発生するということになります。
ただ、このALDH1とALDH2の能力は遺伝で受け継ぐので、二日酔いになりやすい人・なりにくい人の差があります。
自分のALDHの能力を知る簡単な方法
自分が受け継いだALDHの能力が知りたい時は、簡単なパッチテストをするだけで分かります。
剥がした直後に肌が赤くなった→ALDH2不活性型(お酒を飲めない体質)
10分程度してから肌が赤くなった→ALDH2低活性型(お酒に弱い体質)
肌の色に変化がない→ALDH2活性型(お酒に強い体質)
肌に変化がなければお酒に強くて二日酔いにもならないというわけではないんです!
逆に言えばお酒に強い体質だからこそ飲みすぎてしまい二日酔いになる人がたくさんいるのです。
二日酔いの時に「頭痛」が起こる原因
二日酔いの症状で頭痛を感じる人はかなり多いです。
大きな原因はアセトアルデヒドが体内に残り、神経細胞が刺激を受けていることですが、他にも頭痛の原因が考えられます。
◇ 脱水症状になっている
お酒を飲むとトイレが近くなりますよね!
でもアルコールによって体の中の水分量を調整しているバソプレシンという抗利尿ホルモンの分泌が抑制されてしまっているため、水分もどんどん流れ出てしまいます。
脱水状態に陥ってしまうことで頭痛を引き起こしていることもあるのです。
◇ 頭に圧がかかっている
アルコールによってサイトカインという生理活性物質が脳血管周辺で増加することも頭痛の原因と言われています。
片頭痛がある人は二日酔いが起こる前にお酒を飲んでいる時にでも、頭痛の症状が出やすいようです。サイトカインが増えると頭蓋内の圧が上がってしまうので、頭痛として痛みが出てしまいます。
二日酔いで頭痛がする時はいかに早く体内に残っているアセトアルデヒドを体外に排出するかがポイントです!
水やスポーツドリンクなど水分をたくさんとって、体がから素早くアセトアルデヒドを抜くと頭痛が和らぐ効果が期待できますよ。
ドラッグストアやスーパーでも手軽に買える経口補水液が特におすすめです。
二日酔いの時に「吐き気」が起こる原因
飲みすぎた翌朝に吐き気や胸やけを感じる人も頭痛と同じくらい多いです。
吐き気の原因も頭痛同様に代謝しきれず残ってしまったアセトアルデヒドですが、他にも考えられる原因はあります。
◇ 胃食道逆流症(GERD)
胃酸をたくさん含んだ胃の中身が食道へ逆流するのが胃食道逆流症です。
食道の粘膜には胃酸から守るための機能がないので、少しでも胃酸が逆流すると刺激を受けて吐き気や胸やけなどの症状がでます。
◇ 胃酸過多
アルコールは胃にとっては刺激物です。たくさん飲んでしまうと胃酸の分泌が促進されて、過剰に作られた胃酸が胃を刺激してしまうのです。
アセトアルデヒドを体外へ排出するために水分をとるのが効果的ですが、胃食道逆流症や胃酸過多の場合は嘔吐してしまうことがあります。
無理をして水分は摂らずに吐き気止めや胃薬を使うのもひとつの方法です。
二日酔いの時にめまいや動悸が起こる原因
二日酔いの朝、起き上がるとふらっとするめまいを感じることもあります。
めまいやふらつきでは耳鳴りがすることもあるようです。
◇ 低血糖になっている
二日酔いで低血糖になっているとブドウ糖が不足して血糖値が70mg/dl以下になることがあります。そうすると自律神経が反応して警告を出すのでめまいやふらつきが起こるのです。
◇ 自律神経の乱れ
お酒を飲んだら一時的ではありますが交感神経が活発になるため、めまいやふらつきが起こることがあります。二日酔いの朝も同じように症状がでることが考えられます。
◇ 脱水症状によるもの
二日酔い状態で脱水まで起こしていると、水分が足らず血圧が下がりめまいやふらつきの原因になることがあります。
めまいや動悸を感じる二日酔いでは糖質を摂って、ゆっくり休むことがポイントです。
耳鳴りが続くようなら病院を受診することをおすすめします。
二日酔いの時に体が熱い・熱っぽくなる原因
二日酔いの時に体が熱かったり、熱っぽかったりすることもあります。
本当に風邪をひいているケースもありますが、多くの人はお酒を飲みすぎたことが原因です。
◇ 免疫力低下
疲れている状態やストレスがたまっている状態でお酒を飲みすぎてしまうと、免疫力が低下している状態で体に負担をかけることになります。
◇ 睡眠不足
アルコールの影響で浅い眠りが続いたことで睡眠不足になり、免疫力が下がって発熱しやすくなることもあります。
◇ 肝臓の機能低下
二日酔いになりやすい人は肝臓の機能が低下していることがあります。
アセトアルデヒドを長く体内にとどめておくことになるので、発熱してしまうことも考えれるようです。
二日酔いで発熱があるときはダブルパンチで辛いかもしれませんが、しっかり療養することがポイントです。
風邪か二日酔いによる発熱か分からない時は、医療機関を受診するのもいいかもしれません。
現在分かっている二日酔いの原因は9つ
色々な二日酔いの原因をご紹介しましたが、より詳しいことはまだ解明されていない状態で研究が進められているところなんです。
2019年現在であげられている二日酔いの原因として有力な情報は9つあります。
・軽度の離脱症状
・ホルモン異常・脱水・低血糖・その他
・酸塩基平衡のアンバランスや電解質の異常
・炎症反応の亢進
・睡眠や生体リズムの障害
・アセトアルデヒドの蓄積
・胃腸障害
・メタノール
・酒に含まれる不純物(congener)
※厚生労働省 e-ヘルスネット「二日酔いのメカニズム」(樋口進)
パっと見た時に一番上の「軽度の離脱症状」って気になりませんでしたか?
アルコール依存や薬物依存の人がお酒や薬物の摂取をやめた時に起こるのが離脱症状ですよね。
二日酔いが離脱症状のようなものっていうのは少し過剰に表現しすぎなのでは?と思いましたが、そうでもないようです。
実際にアルコールの離脱症状でどんなことが起こるか見て下さい。
吐き気・動悸・手の震え・冷や汗・倦怠感など
二日酔いの症状とすごく似ていますよね!
だから二日酔いはプチ離脱症状と言われているのです。
他にも飲むお酒の種類によっても二日酔いの度合いが変わることはあるようです。
ウイスキーや赤ワインなどの色つきのお酒
ジンや白ワインなどの色のないお酒
お酒を色つき・色なしで分けると、色がついているお酒の方が二日酔いになりやすいというデータがあります。
これは色がついているお酒の方が「コンジナー」というフレーバーをつけるために必要な物質が含まれているせいです。コンジナーは不純物です。
もちろん体質やお酒の飲み方によって二日酔いの度合いは変わりますが、色がついていないお酒の方が二日酔いはしにくいということです。
二日酔いにならないようにするための簡単な対策
絶対に二日酔いにならない!という対策ではありませんが、リスクを下げることができる方法はあります。
胃が空っぽなままアルコールを入れてしまうと、血液の中のアルコール濃度が急上昇してアセトアルデヒド濃度も急上昇するということです。
お酒を飲み始める前に何も食べていない時は、先におつまみを食べておきましょう。
おすすめはたんぱく質が豊富に含まれている食材です。
◇ 食材も気にして食べる
二日酔いにならないようにするためには、高たんぱくな食材がおすすめです。
たんぱく質は肝臓の働きを活性化してくれますよ!
居酒屋のメニューではだし巻きたまご・イカ刺・冷ややっこなどがおすすめです。
◇ 帰宅して長風呂はしない
熱めのお風呂に長く入ればアルコールが抜けて二日酔いにならないというウワサは嘘です!なんの根拠もない情報なうえに、脱水のリスクがあり危険です。>
アルコールのせいで血行が良くなっているので熱いお風呂での長風呂はやめましょう。
◇ 寝る前に水分をとる
二日酔いになりそうな飲み方をしてしまった時は、スポーツドリンクや経口補水液を飲んでから寝るのがおすすめです。
脱水対策にもなり、翌朝の低血糖予防にもなります。
余裕があるならたくさん飲みそうだな!と思う飲み会の前日はゆっくりして、コンディションを整えておきます。
飲み会の前に飲むドリンクを活用するのもひとつの方法ですね!
自分をしっかり持って二日酔いを回避しよう!
二日酔いの大きな原因はいくつか分かっていますが、より詳しい研究を待っているのが今の現状です。
でもアセトアルデヒドの他にも「場の雰囲気」が影響しているとの発表もあるんです。
・ すごく大切な取引先のお偉いさんとの飲み会で酔わない
・ 社長や目上の上司と飲んでいても酔わない
・ 仕事の大事な話をしながら飲む時に酔わない
・ 仲のいい気軽に何でも話せる友人の時しか酔わない
など重要な相手や重要な話の時は酔わないという人もいると思います。
これが場の雰囲気です!自分の精神が現実をしっかり見ている状態なので、アルコールを摂取しても酔いにくくなっているんですね。
それでも上司や取引先の人に飲めと言われて飲まないといけない雰囲気になった時は、すきっ腹で飲まないようにしたり帰って水分をしっかりとったり対策をしましょう。
二日酔いのメカニズムを知ってうまく対策をしておくことで
リスクは下げることができます。
また二日酔いになってしまっても症状を抑えることができるのです。
1番は楽しくお酒を飲んでも次の日に残さないということですね!
② うでの内側に絆創膏を貼る
③ 7分後に絆創膏をはがす
④ 変化がない人は剥がしたまま10分後に再確認