頭がガンガン痛んだり、胃がキリキリ・胸がムカムカする辛い二日酔いの症状は基本的に翌日をたえると2日目には快方に向かいますよね。でも中には翌日もそのまた翌日も二日酔いの症状が治らずに苦しんだ経験がある人もいるようです。
SNSの二日酔いに関する投稿を見ると、いつもよりも飲んだお酒の量が多かったからという人もいますが関係あるのでしょうか。
強いお酒を数杯飲んだだけでも、二日酔いになり症状が治らず長引いてしまった人もいるので原因がよく分からなくなってしまいます。
そこで二日酔いの症状が長引く原因は何なのか調べてみました。
二日酔いの症状が治りにくいタイプだと思っている人や、よく長引く人の解決策になるはずです!
なかなか二日酔いが治らないのは脳のダメージ?
たくさん飲みすぎた・アルコール度数が高い強いお酒を飲んだせいで二日酔いになってしまって症状が長引いていると思っている人は多いですよね。
実は人間の体はお酒を飲み始めてから短時間で脳に大きなダメージを受けている状態になっています。
さらに体内のアルコールがアルコール検査にひっかからないほどの微量レベルになったとしても、脳が受けたダメージは残り続けることがイギリスの研究で分かっています。
二日酔いでもそうでなくても脳が受けたダメージの影響で、
・集中力
・認知機能
・反応機能
・意思決定機能
などの症状は血中からアルコールが検出されなくなっても残っているのです。
なぜ脳がダメージを受けるのかというと、アルコールの利尿作用が原因です。
② 体内の臓器は残っている水分を取り込み始める
③ 脳は水分をキープしようとする
④ 脳が委縮する・硬膜が委縮する
脳や硬膜の委縮は治るまでに1日以上かかる人も多いです。
記憶や認知機能が低下する他にも、二日酔いの症状まで加わると回復までに時間がかかるのは当然なのです。
イギリスの研究発表によると、脳がアルコールによるダメージを受け始める基準値は男女でちがいます。
男性:2時間で5杯以上
女性:2時間で4杯以上
女性の方がアルコール耐性が低いので、ダメージを受け始めるまでの時間は短く酔いも早くまわり二日酔いにもなりやすいと言われています。
飲酒によって脳がダメージを受け、水分・ビタミン・マグネシウムなどの栄養素まで失ってしまっている状態では二日酔いの症状が長引くのも納得できますね。
原因はコレ!二日酔いを長引かせた行動
回復に長い時間がかかってしまう脳のダメージは二日酔いにも関係していることが分かりました。
でも他にも二日酔いが長引いてしまう原因となる行動があるのです。
お酒を飲んでいる時や寝る前の自分の行動や状況などをもういちどよく思い出して該当するものがないかチェックしてみましょう。
二日酔いの症状が何日も治らないことがある人は、うっかり自分で原因を作っているかもしれませんよ。
お酒を飲むときに水分をとらない
脳がダメージを受ける原因も体内の水分量が低下して、水分不足になっていることでしたが二日酔いが治らない原因も同じです。
朝起きた時に脱水症状やそれに近い状態になってしまっているのです。
二日酔いの症状と似ているものもありますが脱水症状ではこんな異変が起こります。
・体がだるく強い倦怠感を感じる
・ふらっとした立ちくらみ
・食欲や血圧の低下
・微熱
・皮膚や舌の乾燥
微熱や倦怠感・たちくらみなどは脱水症状ではなく二日酔いの症状そのもののこともあります。
お酒は水分だからと思っているのはまちがいです!
利尿作用が強いのでたくさん飲んでも体から水分は出ていくばかりなので、飲みながらでも水分補給をする必要があります。
お酒1杯に対して水1杯が理想だと言われています。それだけでもアルコールの代謝の早さも変わってきます。
① 筋肉が少ない人
② 女性
③ 汗っかきな人
④ 体脂肪が多い人
⑤ 年齢が高い人
人の体の中の水分のほとんどは筋肉にあります。
だから筋トレをしている人や、運動を定期的にしている人は筋肉がしっかりついていて水分量もキープできているので二日酔いが長引きにくいのです。
水分不足が原因での二日酔いの長引きが疑われるときは、飲むときや寝る前の水分補給や筋肉をつけることを心がけてみましょう。
二日酔いの症状が治ったと思っても数日は水分補給をこまめに行います。
お酒を飲むときの水分補給には経口補水液がおすすめです!熱中症予防などで人気のOS-1などはドラッグストアですぐに購入できますよ。
色が濃いお酒を好んで飲む
二日酔いのレベルや回復までの時間はお酒の種類によっても変わります。
醸造酒:日本酒、ビール、ワイン
蒸留酒:焼酎、ウォッカ、ラム、ジン、ブランデー、ウイスキー
お酒の中で二日酔いになりやすいのは醸造酒とメタノールを含んでいる蒸留酒です。
醸造酒は酵母からできたアルコールがそのまま入っているので、お酒の中にいくつもの種類のアルコールが入っていることになります。発酵させる段階でコンジナーが発生するのですが、赤ワインやウイスキーの風味を高めるものなのでそのまま飲まれています。
でもコンジナーは二日酔いを重くする・長引かせる原因になる為、色が濃いお酒を好む人は要注意です。
反対に色が薄いお酒は何度もろ過をすることでコンジナーが取り除かれていくので、重い二日酔いや長引く二日酔いのリスクが低くなっています。
ただ、蒸留酒のメタノール入りは分解に時間がかかるため二日酔いが長引く原因になり、倦怠感や疲労感を感じるのです。
そしてメタノールはやっと分解されるという時でも悪影響があります。
ホルムアルデヒド・二酸化炭素・ギ酸に分解されるためです。
・めまい
・頭痛
・腹痛や胃痛
・吐き気
・背中の痛み
赤ワインやウイスキーなどの色の濃いお酒を好んで飲んでいる人で二日酔いが長引きやすい人は、焼酎やウォッカなど色の薄いお酒も飲むと効果的です。
焼酎・ウォッカ・ジン・ラム・泡盛などは二日酔いになりにくく、なったとしても症状が治らないなどの重症化はしにくいと言われています。
ただ安い商品を飲んだ時はメタノールを除去する作業が少ない可能性もあり、二日酔いになってしまうこともあるので気を付けてください。
夜更かしや朝帰りで睡眠が不十分
たくさんお酒を飲んで帰ってきても、そこから長い時間起きていて寝たのが深夜という日もありますよね。
朝まで飲み続けて始発で帰ってくるなんていう強者もいると思います。
そうなると二日酔いになりやすい・症状が長引きやすい原因となる寝不足状態が完成してしまいます。
アルコールが体に入っているというだけで睡眠に障害が出る可能性が高いのに、さらに寝不足では二日酔いの症状が治らないのも当然です。
・途中で睡眠が途切れやすい
・睡眠の質が悪くなる
よってお酒の種類に関係なく飲めば飲むほど睡眠の質は低下します。
翌朝の二日酔いだけではなく、症状が長引きそのまた翌日もというケースもありえるという研究結果も出ています。
飲みすぎてしまった時は二日酔いになりやすい・なりにくいに関係なく、水分と睡眠をしっかりとることがポイントです。
酔った状態ではなかなか眠れないという人は快適に眠れる環境を作ってあげると二日酔いを長引かせる原因をなるべく減らすことができて効果的です。
② 寒すぎない暑すぎない適温の室内にする
③ 飲みに行く前にすぐ眠れるようベッドメイク
④ 静かな環境作り・騒音がある時は耳栓など使用
当日だけではなく日頃から質のいい睡眠をとっておくことを心がけていれば、アルコールによる二日酔いの影響を軽減できることが分かっています。
空腹でお酒を飲んだ
二日酔いがなかなか治らない大きな原因になってしまうのが、空腹の状態でお酒を飲むことです。
胃の中に何も入っていない状態でアルコールを摂取してしまうと、胃の粘膜が刺激されてしまい二日酔いの症状「胃痛・吐き気」などにつながります。
食べ物が胃に入っている状態でお酒を飲むとアルコールが薄まるので、ゆるやかに吸収されるようになります。
でも胃の中にアルコールしかなかったら吸収速度が速くなり、血中のアルコール濃度も急上昇させてしまうのです。
全身を速いスピードでアルコールがかけめぐってしまうので、酔いやすい・二日酔いになりやすい危ない飲み方です。
さらに血糖値の動きにも大きく関係しています。
空腹でお酒を飲む → カロリー、糖分が急増して血糖値が急上昇する
→ その後血糖値が急下降する
極端な血糖値の急上昇・急下降により、アルコールの吸収速度も速くなり二日酔いを誘発しやすくなってしまいます。
怖いのは空腹の状態でお酒を飲んだ時、アルコールによって「お腹がすいた」という空腹感を感じる機能が鈍くなることです。
食事をとっていないのに食べないでいると、飲むお酒の量は自然と増えてしまう傾向にあります。
空腹飲酒による二日酔いの長引きを防ぐためには、飲む前にボリュームがあるものを食べておくことがポイントです。
もしそれができなかった時はおつまみを食べながら飲むようにしましょう。
女性は生理中は二日酔いが長引きやすい
生理中はお酒を飲んではいけないということはないのですが、二日酔いの症状が長引いてなかなか治らない状態になってしまうリスクが高くなっています。
・ 脱水症状や貧血が起こりやすい
・ 心拍数が急上昇しやすい
・ アルコールがまわりやすい
とてもデリケートな状態なので、1杯のお酒でも二日酔いになるリスクがあります。
飲酒で体が冷えることで生理痛がひどくなることもあるのです。
脱水症状や貧血ぎみにすでになっている人は、頭痛が起こりやすく飲んでいる最中に症状が出始めることもあります。
生理中でホルモンバランスが崩れている時に長時間お酒を飲んで睡眠不足になると、片頭痛が起こる可能性もあります。
二日酔いが治りにくい人やなりやすい人はお酒は控えた方がいい時期ですが、それでも飲むときはチェイサーを活用するのがおすすめです。
また、最近ではピルを服用している人もいますよね!
ピルを飲んでいるからとお酒が飲めなくなるわけではありません。
ただ飲んでから2時間以内に吐いてしまうと効果がなくなってしまいます。
他にも二日酔いで下痢が続くなどの症状がある時の服用も効果に影響するためおすすめできません。
年齢が上げると二日酔いが治りにくい
20代の頃の二日酔いは、歳を重ねると飲んだ量は同じでも三日酔いになります。
次の日にお酒が残りやすいと感じたことがある人もいるはずです。
若い時は二日酔いなんてならなかったのに、40代になると二日酔いになりやすくなり症状が治らない経験をしたことがある人も多いようです。
歳を重ねたことでお酒に弱くなってしまう原因は大きくわけて2つです。
① 肝臓の機能が低下している
アルコールを分解するスピードが最も速いと言われているのが30代です。
それ以降はどんどん下降していきます。
肝臓は歳を重ねていくと組織の一部が繊維化してしまいますが、加齢の影響が機能面に出にくい臓器でもあります。
それでもアルコールは体にとって有害なものなので、お酒によるダメージを軽減する・修復する機能は衰えていってしまうのです。
二日酔いがなかなか治らない原因となっている人は、加齢だけじゃなく長年の飲酒やストレスによって肝臓の機能が低下している可能性があります。
② 体内の水分量の低下
若い頃と比べると体内の水分量はどんどん低下しているのが分かります。
新生児 | 80% |
乳児 | 70% |
幼児 | 65% |
成人男性 | 60% |
成人女性 | 55% |
高齢者 | 50~55% |
アルコールを摂取すると体内の水分の中の溶けるのに、肝心の体内水分量が少ないと血中のアルコール濃度はかなり高くなってしまいますよね。
だから歳をとって酔いやすくなった・二日酔いになりやすくなった・二日酔いが治りにくくなったと感じる人が多いのです。
60代以上の高齢になってくるとアルコールの影響はより大きくなります。
・ ふらつきによる転倒事故
・ 急性アルコール中毒のリスク
・ アルコール依存症のリスク
酔いがまわりやすいことで急性アルコール中毒のリスクは高くなり、数日でアルコール依存症になるリスクも高くなっています。
薬も二日酔いが治らない原因になる
服用している薬があるのにお酒を飲んでしまうと、肝臓・腎臓などでアルコールと薬のダブルブッキングが起こってしまい過労状態になります。
そうなると代謝がうまく行えず二日酔いがなかなか治らない原因になることがあるのです。
・ アセトアミノフェンなどの鎮痛剤
・ 抗うつ剤
・ コレステロール値の薬
・ 血圧の薬
・ 抗生物質
です。特に抗生物質はお酒を飲む前は避けた方がいいでしょう。
アルコールと体内で合わさってしまうと、吐き気や高血圧の原因になるリスクが高くなっています。
肝臓への負担もかなり大きいので二日酔いが治らない時は、薬とアルコールの相性が悪かったことが原因のこともあるのです。
薬との組み合わせによっては重篤な症状になる可能性もあるので、お酒を飲む人は医師に薬との相性や飲み方は詳しく聞いておくべきです。
アルコール過敏症が二日酔いの原因になることも
二日酔いの腹痛・下痢などの症状がなかなか治らないと感じている人。
毎回同じような状態を繰り返すのならアルコール過敏症の可能性があります。
自分がアルコール過敏症であることを気づかずに飲酒を続けている人も少なくはないようです。
アルコール過敏症とは
お酒を飲むと顔が真っ赤になる・皮膚にかゆみや湿疹が出る・腹痛や下痢が起こるなどの症状が出ること。アルコールがついた皮膚が赤くなったり、喘息の発作のような症状がでることもある。
日本人はそもそもアルコールに強い遺伝子を持っている人は40%弱しかいません。
アルコールに対抗する遺伝子がない・少ない人が半数以上いるのです。
よって2人に1人はアルコール過敏症であると言われています。
アルコールが含まれている化粧品や汗拭きシートなどを使った時に何らかの症状が出る人は、二日酔いが治らないのではなくアルコール過敏症の症状が続いているのかもしれません。
お酒を飲んだだけで気管支が腫れあがったり、アセトアルデヒドの影響で発生したヒスタミンによる喘息発作も起こるのでお酒は控えた方が安心です。
二日酔いでアルコール過敏症のような症状が出る人は、パッチテストで自分がどの程度の耐性を持っているのか一度調べてみることをおすすめします。
原因になることを避けリスクを減らす飲み方をしよう
二日酔いの症状を長引かせてしまう原因はたくさんありました。
飲む前や飲んでいる時、飲んだ後に簡単にできる対策もあるので、面倒くさいと思わずに実行することで二日酔いのリスクを減らすことができます。ただ単に飲みすぎやコンディションなどが原因で二日酔いが治らないのなら、症状の緩和は時間が解決してくれます。
でも高齢であったり持病がある人などは、他の原因が隠れている可能性もあるので三日酔いの時点で病院を受診するのもひとつの方法です。
若い人も油断せず二日酔いが治らないと感じたらアルコール過敏症を疑い、お酒の飲み方を見直してみる必要があります。
適量以上のお酒を飲む習慣がある人は、常に二日酔いになりやすい・二日酔いの症状が重くなりやすい・二日酔いが治りにくいなどの可能性があることを頭に入れておきましょう。
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