白人や黒人は100%お酒に強い体質ですが、日本人は約4割の人がお酒に弱い体質を持っていることが分かっています。
お酒の強さは遺伝によるものなのでどうしようもありません。でも二日酔いにならないよう飲む前に対策をしたり、飲んだ後にもケアをすることでうまくお酒を楽しんでいる人がほとんどです。
それでも「明日はどうしても外せない」という用事や仕事がある日の前日に、飲み会や接待が入ってしまうことがありますよね。
二日酔いには絶対ならない飲み方をしたいのに、断ることができない相手だと飲まなければいけないので二日酔いのリスクが高くなります。
ただ選ぶお酒によって翌日への影響も大きく変わってくるので、うまくお酒をチョイスして二日酔いを回避しましょう。
二日酔いの症状がひどいお酒は決まっている?
雑誌「WIRED」の編集者であるアダム・ロジャーズさんが執筆した「酒の化学」という本には、二日酔いの症状がひどいお酒のランキングが書かれています。
お酒や二日酔いなどについてかなり詳しく書かれていて、研究を行った結果も記されていますが正式なものではないので参考程度に!ということです。
1位 ★ ブランデー
2位 ★ 赤ワイン
3位 ★ ラム
4位 ★ ウイスキー
5位 ★ 白ワイン
6位 ★ ジン
7位 ★ ウォッカ
やっぱり強いお酒が並んでいますよね!
でもビールがランキングに入っていないことにびっくりしました。
日本人といえばビール・焼酎・酎ハイですよね。
私たちが普段飲んでいるお酒は外国のお酒と比べるとアルコール度数が低く、二日酔いや悪酔いをしにくくなっているのです。
ただお酒が大好きな人達に酒の科学に書かれているランキングを見てもらうと、確かに!とそれぞれが納得していたので正式な論文ではなくても信ぴょう性は高そうです。
他にも個人的に研究をして酔いやすいお酒のランキングや二日酔いになりやすいランキングなどを発表している人もいますが、個人差があることは忘れてはいけません。
お酒に強い人・弱い人、代謝が早い人・遅い人などで二日酔いになる可能性は大きく差があります。
100%その通りになる情報ではないので、お酒を飲む時に二日酔いにならないための参考としてチェックするくらいで大丈夫です。
二日酔いしにくいお酒の種類と選び方
二日酔いしにくいお酒と二日酔いしやすいお酒の条件です。
醸造酒・メタノールを含む・安いお酒
◇ 二日酔いしにくいお酒
蒸留酒・エタノールのみ・高いお酒
醸造酒は発酵させたものをそのまま飲むタイプのお酒、蒸留酒は発酵させ加熱し蒸留したお酒です。
お酒の種類ごとに二日酔いしやすい・二日酔いしにくいにグループ分けをしてみました。
二日酔いしやすい | 二日酔いしにくい | ポイント | |
醸造酒 | 日本酒・ビール・赤ワイン・白ワイン | ー | 白ワインより赤ワインの方が不純物が多く二日酔いのリスクが高 |
蒸留酒 (メタノールあり) |
ウイスキー・ブランデー・テキーラ・バーボン | ー | 銘柄によってメタノールが含まれないお酒もある |
蒸留酒 (メタノールなし) |
- | 焼酎・ウォッカ・ジン・ラム・泡盛 | ただし安いお酒だと二日酔いになりやすい |
① エタノール100%
悪酔いや二日酔いの原因になりそうなエタノールが最も二日酔いになりにくいということ分かっています。
量がちがうと差がでますが、同じ量で比べるとアルコールの純度が高いほど二日酔いしにくいお酒なんですよ!
② 蒸留酒を飲む
蒸留酒は過熱して不純物を取り除いてから飲むお酒なので、二日酔いになりにくいです。居酒屋やバーでどっちだっけ?と分からなくなった時は、色が濃いお酒が醸造酒・色が薄いお酒が蒸留酒です。
③ 不純物(コンジナー)が入っていない
醸造酒と蒸留酒で実験を行ったら醸造酒を飲んだ人達は、血中ヒスタミンやセロトニンが多く頭痛のレベルもひどいことが分かりました。
強いお酒のイメージが強いウォッカは不純物がバーボンの1/37しか含まれていないので、二日酔いしにくいと言われています。
④ メタノールが入っていない
香りや味が強い蒸留酒・ワイン・果実酒などにはメタノールが含まれているものがあります。アルコールよりも代謝までの時間が長いのがメタノールです。
二日酔いの症状が長く続く原因にもなり、アルコールが代謝されてできるアセトアルデヒド同様に人の体には有害なものです。
⑤ 安いお酒を避ける
人によって酔いやすいお酒・酔いにくいお酒があると思います。確かにお酒の種類によって相性がありますが、価格も関係してきます。安いお酒はその分「不純物」を取り除く工程が少なく、高いお酒は不純物を取り除く工程が丁寧です。
すべての人にあてはまるわけではありませんが、二日酔いを避けたい時は【白ワイン・泡盛・焼酎・ウォッカ・ジン・ラム】などのお酒を選ぶのがおすすめです。
メタノールが含有量が少ないまたは含まれていないお酒がポイントです!
メタノールを含むお酒は二日酔い対策ができる?
二日酔いを避けるためにはメタノールを含まないお酒を飲むのが効果的ですが、ウイスキーやブランデーが好きな人もいますよね。
そんな人でも二日酔いになりにくい飲み方はあります。
そもそもメタノールは法律で【100gあたり最大1g以下】の含有量にすることが決められています。お酒の色が薄いものほど含有量は少なく、濃いものほど高くなります。
メタノールが二日酔いになりやすい理由は肝臓で代謝される時に、
・ギ酸
・二酸化炭素
の3つの有害物質を発生させるからです。
吐き気や頭痛、体のだるさやめまいの原因になり時には腰痛や背中の痛みも起こることがあります。
メタノールは薬を飲むことで分解することができない物質で、二日酔いの薬なども直接的に効果はありません。
でも早く代謝して排出してしまうための方法はあります。
◇ 肝臓の機能を高める
◇ アステルパームを飲まない
◇ 果物や野菜ジュースを飲まない
二日酔い対策で脱水症状を防ぐためにスポーツドリンクを飲む人もいますが、人工甘味料であるアステルパームが使われているドリンクは逆効果です。
アステルパームはメタノールに変換され二日酔いのリスクを高める・二日酔いの症状を悪化させる原因になります。
果物なども同じで少量ではありますがメタノールが含まれているので逆効果です。
脱水症状を防いで二日酔い予防をするなら、色々な成分が混ざっていない水が最適です。スポーツドリンクを選ぶ時はアステルパームには注意してください。
また、安いメタノールを使ったお酒にも注意が必要です。
10ml(小さじ1程度)飲むと失明する
30ml(大さじ1程度)飲むと死亡する
と言われている物質です。
過去に純度をあげるためにメタノールを混ぜた安い密造酒などで、死亡事故が複数起こっています。
・ ロシア東シベリア
14人死亡・12人重症
・ インド東部
121人死亡
・ リビア
60人死亡・709人重軽症
実は日本でもメタノールでかさましされた焼酎で30人を超える人が亡くなっている事故が起こっているんですよ。
ホルマリンの原料やアルコールランプの燃料として使われているメタノールは二日酔いの問題以前に体には猛毒となるので避けたい物質なのです。
二日酔いのリスク高!度数が高いお酒ランキング
アルコール度数が高いお酒を飲むと血中濃度もその分高くなってしまうので、二日酔いしやすくなってしまいます。
1位 ★ スピリタス・96度
2位 ★ エバークリア・95度
3位 ★ ノッキーンポチーン・90度
4位 ★ ハプスブルグアブサンプレミアムリザーブ・89.9度
5位 ★ バルカンウォッカ・88度
人気youtuberのフィッシャーズが度数ランキング1位のスピリタスの動画をアップしていますが、度数が高いので火がつくんです!
飲んだら口の中や喉が痛いくらいのアルコールの強さみたいです。
ここまでのお酒は二日酔いどころか飲むことすら難しい人がほとんどだと思うので、あまり心配はないかなと思います。
ただ日本人でもアルコール度数の高いカクテルを好んで飲む人はいますよね。
1位 ★ ホノルル・35度
2位 ★ マティーニ・33度
3位 ★ ルシアン・32度
4位 ★ ロングアイランドアイスティー・30度
5位 ★ バーバラ・25度
6位 ★ ジンデイジー・24度
7位 ★ アレキサンダー・23度
これらのカクテルは男性が女性を酔わせたい時に選ぶ「レディキラーカクテル」と呼ばれているものです。
日本ではスクリュードライバーが定番。オレンジで可愛い見た目とは裏腹に15度のアルコール度数があるのに飲みやすいのが特徴です。
二日酔いになりにくいカクテルを選ぶならおすすめがあります!
・ レッドアイ・2度
・ ベリーニ・5度
・ ファジーネーブル・5.4度
・ カルーアミルク・7度
・ カンパリオレンジ・7度
アルコール度数が高くないお酒やカクテルを選ぶと二日酔いのリスクは下げることができますよ!
ハイボールで二日酔いになりやすいのはなぜ?
お酒が好きな人の中でもっとアルコール度数が高く悪酔いや二日酔いしやすそうなお酒では何ともないのに、ハイボールは二日酔いになるという人がいました。
人気が高いサントリー角ハイボールはアルコール度数は9%です。
外国のお酒が好きな人はアルコール度数10%以上のものを普通に飲んでいるはずですが、なぜ9%のハイボールで二日酔いになるのでしょうか?
二日酔いが起こりやすい理由はハイボールに使われているウイスキーと炭酸にありました。
② 二酸化炭素が刺激となり血管が拡張
③ 胃が活性化される
④ 脳の中枢神経に伝わり食欲増進
この炭酸のメカニズムをハイボールに置き換えて考えてみると、
・ ウイスキーの吸収が早まる
・ アルコールの血中濃度が急上昇
・ 悪酔い・二日酔いの原因に!
ウイスキーはメタノールが含まれている蒸留酒です。
ホルムアルデヒド・ギ酸・二酸化炭素などの有害物質が発生してしまうお酒であるのに、吸収率が高まったり早まったりしてしまうと二日酔いになって当然ですね。
ハイボールで二日酔いになりやすい人は炭酸を使ったお酒の影響をダイレクトに受けている可能性が高いので、メタノールを含まない蒸留酒を選ぶと効果的です。
二日酔いになりやすい・なりにくいお酒のまとめ
では最後にもういちど二日酔いになりやすいお酒・二日酔いになりにくいお酒についておさらいしておきましょう。
二日酔いになりにくい・酔いにくい
ウォッカ・泡盛・焼酎・ジン・ラム
二日酔いになりやすい・酔いやすい
日本酒・ワイン・ビール・ウイスキー・ブランデー・テキーラ
最もリスクが低いのはウォッカで、最も二日酔いになった時の症状がひどいのはブランデーです。
色が濃いお酒ほど不純物が多いので、酔いやすく二日酔いのリスクも高くなっています。
蒸留酒を飲む時はできればメタノールが含まれていない「焼酎・ウォッカ・ジン・ラム・泡盛」がおすすめです。
ウイスキーやブランデーは他のお酒よりも二日酔いになりやすいですが、無理な飲み方をせずに適度に嗜めば美味しく楽しめるはずです。
二日酔いにならないようにするには、お酒のリスクもきちんと理解して適量を楽しむのがポイントです。
そのためには自分が飲んでいる種類のお酒についての知識は頭にいれておきましょう。
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